シンガポールと聞いて「準英語圏」とイメージされる方も多いはず。
シンガポールでの英語の位置付けや使われ方の実情をまとめます。
1、シンガポールでの英語の位置付け
英語は、シンガポールの公用語の1つです(他はマレー語、中国語、タミル語)。
多民族国家であるシンガポールでは、各家庭で話される言語が違いますが、
事実上、英語はシンガポールの共通語になっています。
イギリス植民地時代に英語が使われており、
マレーシアからの独立後も、ビジネス・経済の観点から、
シンガポール政府が英語の普及を推進してきた、
という歴史があります。
2、シンガポール英語の特徴
シンガポール英語はイギリス英語がベースになっており、スペルはイギリス式で記述します。
アメリカのテレビ番組や映画などで、アメリカ英語の影響も受けています。
シンガポール人のアクセントはアメリカ人やイギリス人などの英語ネイティブとは違い、
家庭で話される言語(中国語やマレー語など)により、アクセントが異なります。
若い世代ほど、自然なアクセントで英語を話す人が多くなります。
親しいシンガポール人の間では、シングリッシュと呼ばれるシンガポール独特の英語で会話される事が多いです。
3、シンガポールでの英語の使用例
・政府や公官庁など行政。 ウェブサイトも英語です。
・法令や裁判所など司法。 法律や公文書は英語で記述されています。
・学校教育。 道徳と母国語(中国語・マレー語・タミル語)以外は、英語で授業が行われます。
・交通標識
・公的機関からの通知や看板。 英語に加え、メッセージの対象となる人の言語でも表記されます。
・学校や職場でのコミュニケーション
・家庭での会話。 家庭での会話で主に英語を使用する人は37%と、中国語(標準語)35%を抑えて、最も多くなっています。
4、シンガポール人の英語力
シンガポールでの英語の使用頻度や英語力は、人によって差があります。
しかし、学校教育が英語で行われる事や、英語で会話する家庭が多いことから、シンガポール人の英語力は全般的に高いです。
英語を第一言語とするシンガポール人は、全体の37%です。
20歳未満だと54%、 65歳以上だと18%であり、英語を母語とするシンガポール人が年々増えています。
英語を第二言語とする人も含めると全体の8割以上であり、
34歳以下のシンガポール人の98%が英語を話せます。
シンガポールのTOEFL 平均点は、アジアで最も高い99点です。
英語圏であるアイルランドが97点、
言語が似ていて教育水準が高いドイツ・ベルギー・デンマーク・オーストリアが97~99点、
英語力が高くて有名なフィリピンやインドがともに90点である事から、
いかにシンガポール人の英語力が高いかが分かります。
ちなみに日本は71点で、中国(78点)や韓国(83点)より低く、アフガニスタン(69点)やブータン(72点)と同水準です。
TOEFLはアメリカ・イギリスなど英語圏の大学への提出用に受験する人が多いため、
テストを受ける人に偏りはありますが、
国別の平均点は、その国の人々の英語力とある程度関係がありそうです。
5、シングリッシュ
↓のページでまとめます。
シングリッシュのまとめ