「シンガポールの人口ってどれくらい?」
その疑問にお答えするとともに、
人口統計からシンガポールがどんな国かを分析し、分かりやすくまとめます。
1、人口
シンガポールの人口は561万人です(2017年)。
東京都の人口の4割程度で、兵庫県や北海道と同じくらいの人口です。
ちなみに日本の都道府県別の人口は多い順に↓です。
東京都1362万人・神奈川県915万人・大阪府883万人・愛知県751万人・埼玉県729万人・千葉県624万人・兵庫県552万人・北海道535万人・福岡県510万人
(1) 国籍別の人口
シンガポール総人口561万人の国籍別の内訳は次の通りです。
シンガポール人(シンガポール国籍保有者)・・・344万人
永住者(永住権を保有する外国人)・・・53万人
永住者を除く外国人(ビジネス等で中長期滞在の外国人)・・・167万人
(2) 民族別の人口
シンガポール住民 390万人(シンガポール国籍+永住者)の民族別の内訳は以下です。
中国・・・290万人 (74%)
マレー・・・52万人 (13%)
インド・・・35万人 (9%)
その他・・・13万人 (3%)
(3) 家系の母国語別の人口
歴史的に移民から構成され、多民族国家であるシンガポールでは、各家庭の出自や母国語は様々です。
各民族をさらに家庭の母語別に分けると以下です。
① 中国系
福建語・・・115万人 (29%)
潮州語・・・57万人 (15%)
広東語・・・42万人 (11%)
客家語・・・26万人 ( 6%)
海南語・・・18万人 ( 5%) など
② マレー系
マレー語・・・35万人 (9%)
ジャワ語・・・ 9万人 (2%) など
③ インド系
タミル語・・・19万人 ( 5%) など
2、人口成長率
人口成長率・・・0.1% (2017年)
直近10年の人口成長率・・・2.6% (2006年~2015年の平均)
<内訳>
(1) 永住者を除く外国人
人口成長率・・・マイナス1.6% (2017年)
過去10年の人口成長率・・・7.2% (2006年~2015年の平均)
(2) 永住者
人口成長率・・・0.4% (2017年)
前年の人口成長率・・・マイナス0.6% (2016年)
3、人口密度
シンガポールの人口密度・・・7796人/平方キロメートル(㎢) (2017年)
日本と東京都の人口密度は以下です。
シンガポールは東京都よりも人口密度が高く、東京23区よりは低いです。
日本の人口密度・・・341人/平方キロメートル(㎢) (2015年)
東京都の人口密度・・・6168人/平方キロメートル(㎢) (2015年)
東京23区の人口密度・・・14796人/平方キロメートル(㎢) (2015年)
4、地区別人口
出典 シンガポール統計局
5、人口統計から分かる事
これら人口統計から、シンガポールの特色が透けて見えます。
シンガポールは、外国の優良企業やお金持ちの外国人を誘致する事で経済発展や雇用創出を実現し、急速に発展してきた国です。
ビジネスがやりやすいように法規制を整備し、法人税や所得税も低くする事で、
グローバル企業のアジア統括拠点や東南アジア統括拠点を誘致したり、
金融やIT等、ビジネスの場所に物理的な制約がない業種の企業や起業家を呼び込んだり。
過去の外国人の人口成長率と経済成長率の高さは、この政策の成功を示しています。
しかし、富裕層を含む外国人のシンガポール移住は、不動産を中心とする物価上昇に繋がっていました。
この点、野党が選挙で「インフレは外国人のせいだ」とキャンペーンを張ったため、
与党も外国人への雇用ビザの発行を年々厳しくせざるを得ない状況であり、
外国人の人口は近年マイナスに転じました。
なお現在の不動産価格の上昇は落ち着いています。
これは外国人の減少というより、不動産の投機売買を抑制する政策が功を奏したように見えます。
民族別や母国語別の人口統計からは、中国系シンガポール人が大多数だと分かります。
シンガポールと地理的に近い中国南部の華南エリア、特に福建省から移住してきた家系が多いです。
マレー系シンガポール人は、マレー半島周辺を出自とする家系が多い事も読み取れます。
インド系シンガポール人の多くは、ドラヴィダ系が多い南インドからの移民です。
北インドに多いアーリア系の他、厳密にはインドではないパキスタンやスリランカ等の南アジアからの移民も、統計上はインド系に分類されます。