シンガポールの言葉についてまとめます。
「シンガポール人は英語話せそう」というイメージは日本人に定着していると思いますが、
その実情は意外と知られていないと思います。
1、公用語
シンガポールの公用語(official language)は、
マレー語、中国語(標準語)、タミル語、英語の4つです。
2、国語
シンガポールの国語(national language)はマレー語です。
シンガポール国歌「Majulah Singapura(進めシンガポール)」もマレー語です。
3、家庭の言語
シンガポールでは、英語を含む2、3の言語を話す家庭が多いです。
シンガポールの家庭で最も話される言語(第一言語)の割合は、以下(1)~(3)の通りです。
この統計から以下が分かります。
・英語と中国語(標準語)を第一言語とする人がそれぞれ3分の1超で、合計70%超
・若い世代ほど、英語が第一言語の人が多い
・上の世代は、中国南部が出自で中国語の方言が第一言語である人が多い
(1) 全世代の合計
英語・・・36.9%
中国語(標準語)・・・34.9%
マレー語・・・10.7%
福建語・・・5.8%
タミル語・・・3.3%
広東語・・・3.1%
潮州語・・・2.5%
その他・・・2.7%
(2) 20歳未満
英語・・・54.3%
中国語(標準語)・・・27.7%
マレー語・・・11.8%
タミル語・・・3.6%
その他・・・2.5%
(3) 65歳以上
中国語(標準語)・・・25.0%
福建語・・・20.8%
英語・・・17.8%
潮州語・・・10.3%
広東語・・・10.3%
マレー語・・・9.5%
タミル語・・・2.6%
その他・・・3.8%
4、学校授業の言語
シンガポールの学校では、
母国語(中国語・マレー語・タミル語)や道徳の教科以外は、
英語で授業が行われるのが一般的です。
5、コミュニケーション言語
シンガポールでは各家庭で話される言語が異なるため、母語・第一言語は人により違います。
母語が違う人どうしが学校や職場で話す時は、英語が多いです。
第一言語の他に英語も使う家庭が多い事や、学校教育が英語で行わる事から、
シンガポール人の多くは英語を話します。
中国系シンガポール人のコミュニティでは、昔は福建語で話していたそうですが、
現在は中国語(標準語)か英語が多いようです。
親しいシンガポール人同士で話す時は、
シングリッシュと呼ばれるシンガポール独特の英語がよく使われます。
6、バイリンガルの割合
シンガポール人の3人に2人がバイリンガルです。
ほとんどが英語と他の公用語とのバイリンガルで、英語と中国語のバイリンガルが最も多いです。
若い世代ほど、バイリンガルの割合が高くなり、30歳未満の8割以上がバイリンガルです。
トライリンガル以上(3つ以上の言語の話者)の人も珍しくないです。
(シンガポール人の20人に1人は、3言語以上の読み書きができます。)
7、行政や法律の言語
シンガポールの行政は基本的に英語で行われています。
法令や公文書も英語ですが、他言語への翻訳版がある場合もあります。